ストラトに限らず、大抵のギターは6弦側が順反りする。
弦のテンションは1弦が強いが、重量や強度は6弦の方が強いのだ。
通常のマルチスケールはダウンチューニングに対応するように作られている。
6弦をより太くしてC音まで下げても弦のテンションが確保されるようにスケールを長くしている。
しかしそれをすると当然ながら低音弦のフレット幅が広くなり弾きづらくなる。
逆マルチスケールは思想からして違うのだ。
今回のテーマは”レスポールjrの様なストラト型ギター”である。
ストラト型でありながらレスポールJr のような音や弾き心地を目指す。
それに追加して6弦側が順反りすることが無いようにする。
ほとんどのギターは6弦側が順反りとなるからだ。
その答えが逆マルチスケールなのだ。
以下にスペックを表示する。
ボディ:マホガニー ストラトボディの97%サイズダウン(ネックが短くなりバランスをとる為) 45ミリ厚
ネック:ヘッド角14度 マホガニー 0フレット 300R ボルトオン
スケール:1弦側635mm 6弦側630mm
ブリッジ:5ミリ掘り下げ設置 逆アングル
テイルピース:真鍮5ミリ厚削り出し ボディ埋め込み(テンションを稼ぐため)
ピックアップ:ウィルキンソン セラミック(アルニコⅤに改造予定)
塗装:染色後オイルフィニッシュ
なにせ逆マルチスケールのギターがこの世に存在しない。たぶん。
ネット検索でも出てこないのだ。
なので作ってみるしかない。
今後改善の余地があるのはブリッジの取り付け位置。
通常の計算より5mm~8mmは足さなければならないようだ。
製作した結論としては、チューニングもオクターブチューニングも問題は無い。
弾き心地も音も問題は無い。
それどころか低音弦が弾きやすい。
この個体だけの話かもしれないがロングサスティンを得た。
個体としては良いのでピックアップでの色付けでかなり遊ぶ事が出来るであろう。
そして何故に0フレットなのか?
その疑問の答えは簡単だ。
「0フレットのネック製作の相談を受けたので、ただやってみた。」
それだけだ。
開放弦と押弦との音色の違いが無くなり、開放弦を使ったコードがまあクリスタルな音色になった。
最終結論:逆マルチスケールは低音弦が弾きやすい。弦のバランスも良い。特に悪い所は感じない。
お?
ひょっとして世界初の試みか?
知らんけどw