人間の肌が乾燥によりカサカサになるように、ギターも乾燥による影響を受けます。
ではどういう影響があるのか?
もっとも大きく影響するのはネックです。
木が乾燥により水分を失い、金属で出来た弦が乾燥と低温で縮むことによりネックは順反りとなります。
順反りとは弦の張力にネックが負けて引っ張られるように曲がり、弦高が上がる現象の事です。
この現象を治すためにネックに仕込まれたトラスロッドを締める方向に10度ずつ様子を見ながら回します。
ネックが反っているかどうか判断する簡単な方法は「見る」ことです。
よく「1フレットと12フレットを押さえてフレットと弦との隙間を見る」という方法が良いと言われていますが、
それで判断できるのは熟練のリペアマンぐらいです。
私が勧める方法はこうです。
ピントが合いませんでした・・・
ネック側から片眼を閉じて指板の端を見ます。
弦はまっすぐに伸びているので、指板面と見比べれば両側とも同じようにまっすぐか反っているか、もしくは片側だけまっすぐか逆反りか。
大体この方法でわかります。
このギターの場合、ほんの少しだけ順反りに見えます。
酷くはないのと弦高も気にならないので放置です。
問題は片側が順反り、もう片側が逆反りの場合です。
治せるかどうかはやってみなければ分かりません。
ひょっとしたら大手術になるかもしれませんので、今回はその話は省略します。
さて、皆さんはギターをどこに保管していますか?
出しっぱなし?
スタンドに立てっぱなし?
壁に掛ける?
床に置く?
ケースにしまう?
部屋はコンクリート打ちっぱなし?木造?
問題は保管方法ではなく、今の現状です。
ほったらかしていようがケースに入れようが、外気の影響を受けています。
冬は順反り、夏は逆反り。それでいいのです。
問題は現状。
冬場にギターのそばで美味しい鍋料理を毎日していませんか?
加湿器の横に置いていませんか?
風呂場の近くに置いていませんか?
玄関の日に当たらない湿気のある場所に放置していませんか?
ギターは冬場の乾燥に身を任せてやればいいのですが、湿気・乾燥・湿気・乾燥を繰り返せば
ネックはねじれる可能性が高くなります。
現状とはそういう事です。
なるべくならギターのそばで鍋をつつくのは止めた方が良いでしょう。
またエアコン以外の暖房器具を使うと、窓やコンクリの壁に水滴がつきますよね?
そういった器具を使用するときは窓や壁からは離しておく方が賢明です。
「弦を緩めておけばいいんじゃない?」
そうかもしれません。
私の意見としましては、弦を張ったり緩めたりする方がネックのコンディションを把握できないので
お勧めはしていません。
少し緩める程度ならいいと思いますが。いざ弾こうとなってチューニングし終わったときに反るのもどうかな。と。
結論として、
①冬はネックが順反りになる。
②ギターのそばで鍋を頻繁にしない。
③順反りなら治せるので気にしない。
ギターのコンディションを保つ一番の方法は、
ギター部屋を作り、年中一定の温度と湿度を保つ。
でもね、外で弾いた時に反りますよ。
以上、ギターに鍋は食わすな。
でした。
ジェイズギタージム インストラクター
吉田”鉄弦”ジロー