ドンチキドンチキドンチキドンチキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シーケンスソフトで管理された正確なビート。
バスドラと同じタイムに修正されたベース。
オーディオインターフェースからUSBにてパソコンに進入し、
アンプシュミレーターにて加工されたまるで空気感の無いギター。
音程が修正された色気も感情も持たないロボットのような声のボーカル。
最終的にリミッターで徹底的につぶされ、限界まで音圧をあげたマスタートラック。
ああ・・・
目の前に巨大で薄っぺらい音の壁が立ちはだかる。
まるでアニメやCG映画を見ているように。
AIが吐き出す偉人の名言に感動するかのように。
そうだ。
オーケストラを聴きにホールへ行こう。
聴こえる。
弦をこする音が。
指揮者の静寂が。
全力で振り絞る音の余韻が。
さあ弾こう。
青空の下でアコギを。
爆音でマーシャルを鳴らそう。
空気を振るわせよう。
届け!
私の空気よ。
心の振動よ。
まさにそれこそが音楽だ。